「いやぁ、早く来て良かったよ」

何時に行ってるのか知らなかったからさぁ、と1人で話している。

本当、おしゃべり好きだな。

少しは黙るということを知らないんだろうか。

でも、そういう人でも昨日は少し心を開いてた。

改めて考えてみたら、私ってバカだなと思う。

「先輩ってモテますか」

この質問をしてみた。

「うん、モテすぎて困る……ってちがーう!!」

……自分でそう思ってるのかと思った。

今聞いた私でも驚きの声をあげそうになった。

「何聞いてるんだよ!モテるわけないじゃないか」

「それもそうですね」

「認めるなんて、それもそれでヒドいなぁ」

だって、そうじゃないか。

自分が認めるならいいんじゃない?

今日はゆっくり行くつもりだったのに、先輩が来るから早歩きになっている。

あの曲がり角曲がったら、5分くらいでつく!

今よりもまた早く歩いてしまう。

すると、曲がるよりも前に誰か3人が曲がって来た。

「嘘……」

その3人とは祐樹、光哉、颯人だった。

「お、千尋!おはよー」

「ちぃ!……と綾太先輩、おはようございます」

私に反応してくれた3人が挨拶をしてくる。

「……おはよ」

「千尋は相変わらず元気ないなー」

颯人が背中をたたきながら笑っている。

その様子をまたもや笑って見ているのは光哉。

祐樹はというと、綾太先輩と何かを話している。

……深刻な顔して、何話してんだろう。