グラウンドで皆が走りまわっている中、1人ボーっとしていた。
祐樹はモテてるのか。
そっか。
人ごとのはずなのに、気になって仕方ない。
小学生のころ、はっきり言って祐樹の存在はどうでもよかった。
友達ってわけでもないし赤の他人ってわけでもないし。
それ以上踏み込まなければいいと、そう思っていた。
ピーッという笛の音が私を現実に引き戻した。
「千尋ちゃん。タオルとドリンク配ろうか」
「あ、はい」
友枝先輩がベンチを立って、部員に近付いて行く。
私も先輩を追いかけて行く。
「お疲れ様!」
そう言って、1人1人に手渡していく。
満面の笑みで。
タオルを受け取った部員たちはドリンクを持っている私の方に来る。
「千尋ちゃん。ドリンクちょーだい」
木本先輩が私の前に来て手を出している。
「お疲れ様です。どうぞ」
遠慮がちにドリンクを手渡すと「ありがとう」と言って受け取ってくれた。
……のはいいんだけど、何故か先輩に手を握られている。
「あの、せんぱ______」
「緊張、してるね」
え、緊張?
自分的には落ち着いてる気がしてたけど、緊張してるって。
「手が少し震えてる」
こんなに簡単に緊張してたっけ。
クスッと笑った先輩は手を離し、部員に配るドリンクを手に取った。
「はい、修也」
そして、先輩の後ろにいた赤石先輩にドリンクを渡した。
「お、おう」
「ほら皆も。前に来い」
それからも皆にドリンクを渡していった。
何が何だかわからなくて、ただ見ていた私に先輩が。
「初めてなんだから、いいんだよ」
そう優しく言ってくれた。
祐樹はモテてるのか。
そっか。
人ごとのはずなのに、気になって仕方ない。
小学生のころ、はっきり言って祐樹の存在はどうでもよかった。
友達ってわけでもないし赤の他人ってわけでもないし。
それ以上踏み込まなければいいと、そう思っていた。
ピーッという笛の音が私を現実に引き戻した。
「千尋ちゃん。タオルとドリンク配ろうか」
「あ、はい」
友枝先輩がベンチを立って、部員に近付いて行く。
私も先輩を追いかけて行く。
「お疲れ様!」
そう言って、1人1人に手渡していく。
満面の笑みで。
タオルを受け取った部員たちはドリンクを持っている私の方に来る。
「千尋ちゃん。ドリンクちょーだい」
木本先輩が私の前に来て手を出している。
「お疲れ様です。どうぞ」
遠慮がちにドリンクを手渡すと「ありがとう」と言って受け取ってくれた。
……のはいいんだけど、何故か先輩に手を握られている。
「あの、せんぱ______」
「緊張、してるね」
え、緊張?
自分的には落ち着いてる気がしてたけど、緊張してるって。
「手が少し震えてる」
こんなに簡単に緊張してたっけ。
クスッと笑った先輩は手を離し、部員に配るドリンクを手に取った。
「はい、修也」
そして、先輩の後ろにいた赤石先輩にドリンクを渡した。
「お、おう」
「ほら皆も。前に来い」
それからも皆にドリンクを渡していった。
何が何だかわからなくて、ただ見ていた私に先輩が。
「初めてなんだから、いいんだよ」
そう優しく言ってくれた。