後ろから看護婦が老人たちを呼び病室に帰って行く。 不意に声がきこえた。 「どうしたの?知らない顔ね~」 柔らかい声で、柔らかい口調でそういった。 「あなた、整形外科のイケメンさん?」 「イケメンさん…?」 「二週間前に入ってきたの?」 「ああ、そうだよ」 「じゃああなたね。確かにイケメンさんだし 、私は島波優愛-シマナミユア-っていうの。よろしくね」 「俺は浪島櫂-ナミシマカイ-。こちらこそな。」 「櫂か~、良い名前ね。」 やさしく微笑んでそう告げた。