魔法のドレス



「最後か…」


自室に戻り、ベットに寝転んで、一人考えこむ。


ここ数年、僕は王都にいたせいもあったから、リザには会ってなくて。


学校通ってた時とは違い、街の服屋の息子と伯爵様のご令嬢が、ばったり会ったりなんかしない。


それに、きっと会う事は許されない。


たぶん、リザは何処か、遠い所へ嫁いで行く。


一時期でも、問題になった僕と会う事は、決して許されないのだろう。


もう、見る事すらないのかもしれない。


そう考えると酷く、僕とリザは遠い。


あんなに普通に笑いあっていた学校生活が今となっては、凄く貴重だったと気が付く。


まあ、笑いあうというより、僕が泣いて、リザが笑う、という構図の方が多かった気がするが。


残された時間は今日を抜いてもう6日あるかどうか。


最後に彼女にしてあげれる事と言えば、


「これしかないよな。」


起き上がって、机の中から取り出したのは、愛用のスケッチブック。


開けばそこには僕の今までの作品である、デザインが並ぶ。


真新しいページを開いて、うっすらと浮かんでいたイメージを、僕は少しづつ形にして行った。








「フェリー、お風呂次どうぞ。」


そう言って扉を開けたリザに、一心不乱に創作していた僕は、酷く狼狽えた。


「あ、ああ、うん、今行く。」


急いでスケッチブックを閉じて、机の中に押し込む。


そして、まだ扉の所にいたリザを部屋から出して扉を閉じると、そさくさとその場を退散した。