「セレスは、まだ、義務教育の学生?」
喋りかけて欲しくてしょうがないと言わんばかりのセレスに、リザは笑ってそう問うた。
セレスはリザが昔から好きで、それは今も健在らしい。
「うん!
お姉ちゃんたちが昔通ってた学校に通ってるの。
でも今年で卒業だよ!」
待ちきれないとばかりに彼はうずうずしている。
なんだか懐かしい。
この街の外れのお城近くに佇む母校。
ここに12歳までの6年間通う事が義務だった。
リザはそこでの同級生。
出会ったのはもう少し前だけど。
「セレスは卒業したらどうするの?」
そう言ってから、ご飯を口に運ぶリザに器用だな、と思った。
喋ってても食べる動作に優雅さを失わない彼女には、もうそれが癖なのだろう、と思う。
僕は、ご飯の時は基本喋らない。
というか、喋れない。
喋ってると、すぐヘマをするのだ。
こぼしたりとか、いろいろ。
あと、食べるのが人一倍遅いから、喋ってる暇すらない。
そんな訳で、基本、無言の僕。
「うーん、まだ決まってないけど、頭使うのは向いてないから、体動かす職業がいいなー
なんかいい職業ある?」
人一倍元気なセレスには、両親の跡を継ぐ必要がないし、そもそも継ぐのは無理そうなのだ。
「そうね。
お城守ってる兵士とかは?
あれ制服かっこいいし、勇ましいし、モテるよ。」