「フェリが作ったの?これ。」


そう言って、裾を持つとちょっと広げるリザはまじまじと自分の着ているワンピースを見つめる。


「うん。」


「へー、だから、目に飛び込んで来たんだ。

なんかこれだけ他のと違う気がしたの。」


その言葉に、母さんのデザインには追いつけてないのか、と少し落ち込んだ。


でも、嬉しそうなリザを見てると、それも個性なのかもしれないと、認められた気がして、なんだかほっとした。


母さんだって、別に僕に、自分と同じ物を作るように要求してるわけじゃない。


もっと、自分らしく、でも、みんなに好きになって貰えるような、そんな服を作って行きたい。


「また、リザ用に服作るよ。

今、そんなに仕事忙しくないし。」


「よろしくね。

期待してるから。」


その言葉で、リザに似合う物を作ってやろう、という気持ちが強く芽生えた。


そんなに意気込まなくても、自然とそう言うものが出来るだろう、と言う気持ちがあった事は否定しない。