実際、この水色の夏用の爽やかなワンピースをよく着こなしている。


町中を見ても、彼女ほど似合う人はいない気がしなくもない。


でも、なんだか、少し腑に落ちない。


やはり市販だからか、少し丈が短い気がするし、細いウエストに合わせて、後ろの紐で調整したためか、服に皺が寄ってしまう。


その後、とりあえず全て試着させたが、サイズとかデザインとか、どうも満足がいかないのが多かった。


リザも普段は自分のサイズにぴったりの服を着ているせいか、


「ちょっと胸がきつい。」


とか、ちらほら言っていた。


最後は、リザが最初に選んだイエローのワンピースを試着。


これはボタンが前に付いているから、一人で着れるはず。


「これ、サイズぴったり。」


そう言って、カーテンを開けたリザを見た時、びっくりした。


「かわいい…」


思わずそう漏らした僕に、彼女は、でしょ?と得意げに笑った。


なんか、僕がデザインした時に思い描いていたビジョンと一緒だったというか、見事な着こなしだった。


パステルイエローのワンピースを着たリザは暖かな日差しのようで、かつ、日差しを一身に受ける花のようだった。


デザインが子供っぽいかなっと思ったのに、リザが着ると、その要素はふんわりとした印象を与えるだけで、しっかり大人っぽく仕上がっていた。