「この話はもうおしまい。」


そう言って打ち切ったリザに、切り替えの早いアルは、別の話を始める。


相変わらず、まだぶすっとしている僕は遅いらしい。


「それにしても、リゼ姉っていい香りするよな。」


「そう?私、今は香水とか付けてないけど。」


「そうなの?その割にはこう、なんというか。」


なんか変態の会話してるし。


そこで、リザから僕にお呼びがかかる。


ちょいちょいと手で招かれ、仕方なく立ち上がると、リザも起き上がって、僕をベットに座らせる。


それに、アルも起き上がって、3人でベットに集まるという、不思議な構図が出来た。


「フェリ、私いい匂いする?」


そう言って近寄るリザに否応なしに胸が高鳴る。


視界にリザがいっぱいになり、ふんわりと優しい何かが香る。


たぶん、シャンプーと彼女自身の匂いが混ざった香りだと思う。


だが、しかし、そろそろ僕は呼吸困難に陥りそうだ。


リザが近すぎる。


それに、僕に向かって、どうなの?と首を少し傾ける姿は綺麗で。


「兄さんは辛抱強いねー。

そんな事されて、俺だったら、横に弟がいようがリゼ姉の事襲うね。」


そう言って、教育上良くない台詞をバンバン吐く弟に、助けてくれよと視線を向ける。


「俺、邪魔っぽいから、出てくわ。」


裏切りだ。


実の弟に裏切られた。