次の日、私の足は図書館へと向いていた。


もしかしたら、もう一度会えるかもしれない。


そんな淡い期待を胸に抱いて。




ガラガラ__

図書館のドアを開けて中にはいる。



人がいる気配はしない。

やっぱりいないかな、そう思いながらも昨日彼がいた席へと近付いてみた。




『…あ』


彼は昨日と同じように、机にうつ伏せていた。


そして、彼の横には書き置きが。


“昼休みに会った君。

寝てたら起こしてください。”



それって私のこと?


起こしていいのかな?



恐る恐る彼の肩をたたいた。


「…ん」


と彼が起き上がった。



私の方を見ると、彼は微笑んだ。


「昨日の子だ。」


『あ、はい。』



もう一度会いたいなって思ったんだ、と言いながら私を席に座るよう促す。


席に座った私は、赤面状態。


彼にそんなこと言われて赤くならずにいられる人がいたら凄いと思う。


「名前は?」

と彼は私に問いかけてきた。


『椎名 逢です…。』


「逢ちゃんか。いい名前だね。」

そう彼に優しく微笑まれたら、真っ赤になる私。


そんな私に気付いたのか、彼は少し笑った。


「あはは、逢ちゃんがそんな真っ赤になるとこっちまで照れるよ。」


そう言って、私の頭をポンポンと撫でた彼。



かぁぁぁ


私はきっと、ゆでだこのように真っ赤に違いない。


『…っ』

私は喋ることすらままならないくらいドキドキしていた。



「俺は、深瀬 陽(ふかせ はる)」


よろしく、と言ってまた微笑んだ。



『…はる、先輩』


「そうだよ。」



彼に夢中になりそうです。