「ん……せ、せんぱ…」

「…ん…?」

雨の音がいつもより近く感じる。冬が近くなって来たからかな…

私は珍しく温室の壁にくっ付けられ、先輩がベンチに乗り上げていた。

温室の中は、雨の音と私達の吐息だけが響いている。

「…せんぱ……ちょ…待って…」

「…何で…?…」

自分の声が相手の中に消えて行く

私はゆっくり先輩の二の腕を押して、先輩を離した。

「何で?もっとしたい!」

「先輩!今日はお願いがあって…聞いてほしいんです!」

「だめ…もっと!」

わ、わがまま〜!顔が可愛くなければ張り倒してるかも…

「…じゃあ、キスしたら聞いてくれるんですね?」

「ええー、内容にもよる。じゃあ、こうしよう!俺の願いと交換っつーことで。そしたら今日は調教無しにするから!」

「ええー、先輩のお願いも内容によります。じゃあ、まず聞かせてくださいよ。」

先輩は周りをキョロキョロして、ポケットに手をいれた。

「今日雨だから、絶対誰にも見つからないと思うんだよねー。」

「いつも見つからないじゃないですか…」

「だから、今日こそ俺として?」

「…はい?」

「ヤろうよ…ヒメ」