松澤高校の前まで行くと、そこには松澤の制服を着たやつらしかいなかったが、同じ学校同士でも仲が悪いのか喧嘩がいたるところで行われている。
さっきよりもさらに歩くスピードをあげ、素早く校内に入った。
きったねー……
学校の外面も落書きがしてあって汚かったが、中はもっと汚かった。
落書きは外の倍以上はあるし、煙草の吸い殻ち落ちていて最早学校と呼べる場所には見えなかった。
「あ、真崎くん!こっちこっち!」
呼ばれた方を見ると、ヨレヨレのスーツを着た男が手招きしていた。
多分ここの教師だろう。
「こ、こんにちは……初めまして……」
「初めましてー。僕は、君のクラスの担任の相川(あいかわ)だよ。君をクラスまで案内するね。」
「いや、あの……始業式はやらないんですか?」
もうすでに歩き始めている先生に尋ねると、先生は困ったような表情をした。
「いやー…実はね、ちゃんと始業式にでる生徒がいないから今回から無くしちゃったんだよね。まぁそんなことより早く教室に行こう!」
困った表情は消え、さっきのようにニコッと笑って言うとまた歩き出した。
やっぱここ、不良しかいねぇのか。篠原さんも転校先考えろよ、クズが。
心の中で篠原さんに暴言を吐いて、先生の後を追いかけた。
