外にでると、まだ少し蒸し暑い風がふわっと吹いた。
ここから歩いて15分、そこに松澤高校はある。
30階建ての高層マンションのエレベーターに乗って、1Fのボタンを押す。
すぐに一階について、エレベーターを降りるとエントランスに女の人が二人で喋っていたが、俺に気付くと不審そうな目でこっちを見ていた。
「お、おはようございます…」
弱々しい声で挨拶をしてみたが、二人は驚いた様子でそそくさと逃げていった。
逃げるほど気持ち悪いのか、不審者だと思ったのか…
まぁこんなこともこの姿では慣れているから別にどうってことないけど。
とぼとぼ猫背で歩いて進んでいくと、髪の色がすごいやつや、朝から喧嘩をしてるやつらが目につく。
俺みたいなやつが絡まれやすいのは今までの経験上知ってるから、できるだけ道の端を歩いて、視界に入らないように歩いた。
「おい。」
……道の端を歩いていた意味はなかったらしい。
