2人の間に冷たい風が吹き抜けた。 ほんの数秒の沈黙が数十分にも感じられて、ちゃんと答えろ自分!と必死に言い聞かせた。 あたしは小さく深呼吸をしてから話し始めた。 「ありがとう…。あたし、そんなこと言われたの初めてだから…すごく、嬉しい。」 仲野くんはさっきと変わらず、真っ直ぐな目であたしを見てる。 「でも…あたし……好きな人がいるんだ…。ごめんね…」 ごめんね…… ありがとう。 .