張り切って、高尾会長に、声をかけてみた。

僕だとわかってもらえるだろうか?

「高尾会長、会長就任、おめでとうございま
す。これから、よろしくお願いしますね。」

僕は、意地悪だ。

自分に、自信がないくせに、会長が、僕を、知っていてくれるだろうと、淡い期待を抱いて…。

僕は、わざと名前を言わなかった…

会長なら、僕を知っていてくれる。
知っているだろう、

可能性の低い期待を、少しでもと…

僕は、卑怯だ…。 僕は、卑怯だ…。

「あっ…えっと…たしか、副会長の大月 靖
 さんですよね…」

「はい、生徒会で、お願いしますね。」

ああ、ありがとうございます。会長。
僕と、はなしいるときの、会長を、見る余裕が、僕にはなかった…。