会長の話が始まって10分・・・

「長いー」
「早くしてー」
「もっと早く喋ってよ」

そんなこと喋る人なんて、一人もいない。

ピリッとした空気
でも、ホワッと心が温かくなる

そんな会長の話が終わった今
喋れる人なんて、いないのではないか?

そうも思った

世界は、止まっていないか?

この学校だけ、止まっていないか?

物音さえも、消えていた・・・

どこからか沸き起こった拍手が、長々と続いた。

会長の、過去の話。

会長は、格好いい。
だけでなく
嘘をつかない会長が、美しいと思った。
過去を受け止めていて、素晴らしいつ思った。


俺も、過去を受け止めようと思った。

会長の、過去は、とても重たいけれど、俺の過去も、とても重たいから。

逃げたいけれど、受け入れている会長が格好いいから。

俺も頑張ろうと思ったんだ。