大きな拍手が、この部屋の外から聞こえて
きた。

「よくできたね。上手かったよ、演説。」

だまされた。

愛に、だまされた。

「練習じゃなかったの?」
「本番って言ったら、彩、逃げるでしょ?」

逃げたかもしれない・・・

緊張で、声が出なかったかも・・・

落ち着いて話せなかったかもしれない・・・

いろんなことを考えていてくれたんだ

愛は・・・
「ありがとね、愛!!」
「ンッ?何が??」

本当は、分かってるんでしょ?
私も分かってるよ、愛のこと。

「教室戻るよ!
 みんなが待ってるでしょ?
 みんなの彩を!!」

「愛は、私の一番だから!!
 何が起こっても、愛は、私の一番だから!」

「しってるよ!

 いこッ」

「うん」






「彩お姉さま、かっこよかったよ!」
「高尾さん、すごかったね!」
「私たち、高尾さんのファンだよ!
 頑張ってね!」
「俺たち、絶対高尾さんのこと、支えるから!」



仲間がいるっていいね

支えてくれる人がいるっていいね

この私の居場所を守れるように私は強くなる
強くなって見せる