(彩 side)

「今年の会長は、誰になるのか?」

 非常にテンションの高い司会者の声が

マイクによって、静まり返る体育館に

響きわたった。毎年恒例の「会長コンテ

スト」の、右から七番目に並ぶのが私。

   高尾 彩。

 私は、そんなキャラじゃないし、そんな

こと、やりたくもない・・・。

でも、ここにいる私は、海より深く、山より高

く。宇宙よりも大きな理由があった。
 

司会者が、一人一人会長立候補者の紹介

をして、私の番が来た。


「今や、学校アイドル、高尾 彩さん。抜群
 のルックスと整った顔。トップモデル間違
 い無しの超がつく美少女。テスト成績
 学年一の秀才。全国模試、ナンバー1の
 天才少女。ちなみに、 IQ200の模範
 少女。なにもかも、完璧な学校アイドル
 が、会長に立候補。大きな期待がかかり
 ます」


誰が考えたのかも分からない私の

自己紹介がスピーカーから流れた。