「また来てる」
独り言を呟く先には舜がいて
あのころは一人が好きなように振る舞っていた
それでも何度か隣り合った席では
授業中もこそこそと話した
時には教科書を一緒に見て
ノートに落書きしあって
あのころはクラスが別れただけで
話もしなくなるものだとは思わなかった
だけ。というには変わったものが
多すぎたのも確かではあるけれど
考え直してみれば私は高校に入って
陸上部には入らなかった
彼は少し社交的になったようで
まわりの女の子からそれはまあモテた
代わりに私はあまり男の子とは話さなくなった
話さなくなる要因は大いにあったようだ

