しかもご丁寧にガムかみつつ、風船作りながらたずねてきやがったぞコイツ。
やだやだやだ、この少年、俗に言うヤンキーですか?
だとしたら絡み合いたくない相手にランクインなんですが。
「名前は…なんつったっけ?」
「成田…麻架、ですけど」
「ああそうそう!羽田か成田かどっちかで悩んだんだよねー今」
おいおい、あたしの名前は空港名か。
「おいこの馬鹿!ガムかみながら初対面の挨拶してんじゃねーぞ」
あ、殴られた。
ごすっ、と鈍い音がして、目の前の金髪少年の頭がつんのめった。
「いってぇ!何すんだよ智巳!」
「すんませんね、コイツ可愛い子見つけたら絡まずにいられなくて。えーっと…羽田さん?」
「成田です」
「ああごめん成田さん。俺、牧野智巳。この馬鹿は本橋律。同じクラスだから、よろしく」
「ああ…よろしくお願いします」
本橋とか言う金髪男を後ろから殴って登場したのは、これまた茶髪男子。
あああ、やっぱりその類なのかな、ヤンキーさんたちなのかな。
今後絡みたくないリストに入れとこうかな。
牧野智巳と本橋律っと。暗記暗記。
「で、成田さんは?珍しいね、ウチに特待で編入出来るのに私立だなんて」
