―苦しい…― 動揺しているのか、呼吸がうまくできなくて 震えが止まらない。 「どうしたの、クロちゃん?」 ―お願い、放して、僕に触らないで!― 思い出したくないっ… 「大丈夫よ、いい子いい子ね。」 温かい手が、柔らかく僕の頭を撫でた。 ―あ…― 撫でられるリズムに合わせて、恐怖にも似た感情は少しずつ収まっていった。 ―なんだ、これ?―