それでも、僕がこの猫を撫でることは無かった。 自然に、可愛がろうとする感情とかが、僕を衝き動かして、この子の頭に手が乗るだろう、 そう期待していたんだけど。 名前だってつけた。触れられるのは嫌じゃない。 でも… 「ごめん、クロ。」 口をついてでた謝罪は、なんのためだったのだろう。 猫が望んでいるなんて、そんなの分からないのに。