「ま、愛未ちゃん、帰ろう? じゃあ持田さん、また明日ね」 片手で寅さんを抱っこし、もう一方の手で私を引っ張って歩く林君は何か焦ってて。 それをクスクス笑ってみながら、手を振るのは持田さんで。 林君、変だよ。 絶対、なんか変だよ! 帰り道に、それとなく聞いても上手くはぐらかされてる気がする。 林君は、ものすごーく天然なんだ。 だから、持田に狙われてるのも気付いてないと思うんだ。 やばい、やばいよ、愛未! 林君を守らなきゃ。 あんな女に林君を取られてなるものか!