「愛未、林君よー?」
お母さんの声に私は飛び起きた。
は、林君?
もうバイト行ってる時間だよね?
もしかして休んで来てくれたのかな。
壁にかかった時計を確認しながら、髪を手で梳かし、部屋のドアを勢いよく開けた。
だけど私の目に入って来たのは大好きな林君じゃなくて。
「なんだ。林君って、あんた達か」
「うっわ。何その言い方」
「今の笑顔は、何だったわけ?」
「本当……性格悪いな、お前」
そこに居たのは、好き放題言ってくれちゃう林3兄弟だった。
「……何しに来たの?
文句なら帰ってくれる?」
勝手に私の部屋に入る3人は、口々に文句を言っている。
今は、あんたらに突っ込む余裕なんてないんだけど。
文句言うなら帰ってって言ったよね……。

