やっと雑誌を見ていた目が私に向けらた時、何故か私は全てをチビ林下に話してしまっていた。
「ふーん……。
で、兄ちゃんが変だと?」
コクリと頷く。
一応、中学生とはいえチビ林下も男であることには変わりない。
しかも林君の弟だし。
期待の目でチビ林下の言葉を待つ私に
「ま。兄ちゃんの事だから大丈夫だろ」
そう言って、また雑誌に目を向けてしまった。
はぁ!?
こんなに聞いて、たったそれだけ?
「ちょっと! 人が相談してんのに、それだけなの?」
「だって愛未のヤキモチは、今に始まった事じゃないじゃん」
「それでも、今回は違うの!
もうちょっと……ほら、何かあるでしょ?」
「……ないね」
きーーー!
このクソガキーーー!
こんな奴に相談した私が悪かったわよっ!
雑誌ばっか読んで、ほんっとーにムカつく。
「あんた、さっきから何の雑誌読んでんのよ?」
八つ当たり。
その言葉がピッタリなわたしはチビ林下から雑誌を奪ってやった。

