林君がお風呂に入っている間、寅さんを撫でながらリビングで待つ私に
「……一緒に帰って来たくせに、やたら暗いな」
そう隣に居た、チビ林下が突っ込んでくる。
う……。
普段は冷めた顔して見てるだけのくせに、こんな時だけ勘がいいんだから。
「……バイト先に女の子が居たんだよね」
そんなチビ林下に話しちゃってる私もどうかしてるけど。
「そりゃ居るだろ?」
雑誌から目を逸らさず、私の事を鼻で笑うのに腹が立った。
こっちは悩んでるってーのに。
雑誌ばっかり見ちゃって。
「だって、可愛いのに大人っぽい高校生なんだよ!?」
「……どっちだよ」
確かに……可愛い、と。大人っぽいって。
でも両方持ってる感じなのっ。
こう何ていうか……可愛いのに大人っぽいんだもん!

