キャンパスいっぱいのコバルトブルー。

大好きな色をキャンパスに塗る。

「お、結構上手じゃん」

「あ、伊藤。」

俺の描いているのは空。

澄み切った、綺麗な青空。


「あ、コバルトブルー!アタシも好きだよ?この色」

「だよな!超綺麗な色してて・・」

「いいよね。早峰は絵が上手」

そういってから、伊藤はニカッと笑った。

伊藤の絵をチラッと見てみる。

なるほど。ヘタでもなければ、特別上手くも無い。

「デッサンって嫌いなんだよね。イラストは得意だけどさー」

うん。伊藤のイラストはすごく上手だ。

「あ、東雲さんだ」

伊藤が図工室の前を通る女子を指差す。

「ほらほらー東雲さん居るよー?」

ニヤニヤしながら肘で俺をつつく伊藤。

どんどん俺の顔が赤く染まる。


「・・・・うるせー!///」

真っ赤になって顔を隠した。


恥ずかしかったから。

東雲さんが綺麗すぎて見れなかったから。


でも、伊藤は_____




顔を隠した指の隙間から

伊藤が辛そうに苦笑していた。