…あれ? いつの間に 寝ていたんだろう? 女の子…いや、 怜奈と目が合った。 怜奈も、丁度目を覚まして はっ、と 小さい声を上げて 布団から出た。 かばんを持って、 部屋を出る。 今 考えれば、不思議だ。 まるで何事も なかったかのようだった。 いきなり振り向いて、 「流(りゅう)くんが、 やったの?」 項垂(うなだ)れるように 頷(うなず)いた。 怜奈の目は… 何か言いたげな、悲しそうな もう、色んなものを 放り込んだような …そんな、不思議な 目をしていた。