親の前でも死を受け入れたふりをして笑うんも、

死ぬって分かっとるけど飲まされる薬にも、

友達の同情の目に気付かんふりしてふざけるんも。


思うんや。


由紀やったら溜息つきながらうちには気を使わんで弱音吐いてええんやでとか、

なんも言わんと俺の傍におってくれるんやろなとか考えるんや。

お前のこと傷つけておきながら由紀が俺の所に来てくれるんやないかって、

病室に近づく気配があったらめっちゃ期待しとる俺がおるんや。

でも結局今日も由紀は来てくれへん。

当たり前やけど、もういっぺん由紀に会いとうて会いとうてたまらん。




なぁ、由紀何百回ゆうたってたらん。

由紀が好きや。

めっちゃ好きや。

好きすぎて由紀のこと以外考えられへん。

俺な今更めっちゃ後悔しとるんや。

やから手紙で伝えようって思たねんけど、手紙なんて重いやな。

形に残ってまうし、

やから、書くだけ書いて捨てようって思うわ。

俺の自己満足や。

やから、由紀は俺のことなんかきれいさっぱり忘れて幸せになれ。

由紀が幸せやったら俺、それだけでもう十分や。

ずっとずっと由紀にはわろておってほしいんや。

ずっとずっと大好きや。

そいから、幸せになれや。



わがままゆうけど、できれば葬式に来てほしい。

最後に俺に会いに来てほしい。

死んでいても由紀に会いとうて会いとうてたまらんのや。

だから、どうかもう一度俺と会うてくれんか。