「 これで分かったか? 王子の秘密。」 やっとあたしから離れた春坂が、ニコッと女子を惑わすスマイルを浮かべた。 でも、今のあたしには、 “ニコッ”より “ニヤッ” ってカンジなんだけど……。 「 じゃあ、また明日な。 お姫様。 」 そう言って、ヤツは放心状態のあたしを置いて、図書室から出て行った。 ……正直、驚きすぎて、何が起こったか分からない。