「お前が叩いたって痛くもかゆくもねーよ」
「じゃあ精神的に追い詰めてやるっ!」
「……俺メンタル強いよ?」
「もういいや」
彼方は野球部に入っていて、部活は頑張ってる。
今は冬で、雪が降ってるから…外では練習していない。
体育館の2階とか使ってよく筋トレしてる。
彼方を見ると、なんとなく小さい頃を思い出した。
小学生の頃は、まだ身長だって力だって同じくらいだったのに、中学に入ってからは全然彼方の方が大きくなってしまった。
力だって、到底敵わない。
それを少し、ほんの少しだけ寂しく思ってる私はちょっと変なのかも。
「日向ー俺、やばい」
「何が?」
「3年になったら進路とかどうしよー…」
進路かぁ…
「何がやばいの?」
「んー別に、今から悩むのって早い?」
「…ちょっと早いんじゃない?」