「じゃ、じゃあ…ありがとう」
「ん、それでいい」
ニカッと笑った彼方に、私は悲しくなった。
「日向、もっと早く走れよ、ヤバイ」
「…もう無理…」
「ったく…鍛えてねーから」
野球部だからってぇ~!
「わ、私は女だから!」
「同じ子供だ、そう変わんねーよ」
悪戯っ子みたいな笑顔を浮かべる彼方。
……彼方は…
「日向っ!」
「え?」
「え?じゃねーよ、鞄持ってやるからもっと早く走れ!」
そういって私から鞄を取り上げた彼方。
「え…」
「ホラッ」
取り合えず私は重い鞄がなくなったのでさっきより体が軽い。
だから少しだけスピードアップ。
私のスピードに合わせて走っている彼方。

