「お待たせ!
まぁ、ちょっとホコリっぽいけど
ここなら誰もこないからジックリ話せるし」
そう言うと桜井くんは首をコクンと動かして
机と椅子がある方に行き
ギギギッと椅子を引き
ポケットからハンカチを出したかと思うとそれを広げバサッと椅子にかけて
「どっ…どう……ぞ」
と言いこちらを見ている。
なんか手慣れてる感が凄いんだけど
一瞬桜井くんがかっこよく見えたんだけど…気のせいだよね?
「えっ…えっとありがとう」
と言うと
初めて
桜井くんが笑っていた
髪が少し風で揺れてほんの一瞬だが……。
その笑顔に少しドキッとしたのだった
桜井くんは私の正面になにもひかないで少し椅子の上のホコリを取り座った
「私が桜井くんのハンカチに座ってていいの?」
「…はい…さく…ら…い…さん
は女性…で…す…ので
とう…ぜ……ん…ですッ…。」
そう言い桜井くんは下を向いた。


