「お母さんが今度から俺の家に泊まりに来ていいって!」


瑞希は嬉しそうな笑顔で私に話しかけている。

なのに私は元気がない。



「お父さんとお母さんが帰ってこないよ…うぅ」


この時も好きはどう思ってたんだろう。




「美優。気にしないで!俺がいるじゃん!」


「う、うん!」


「けど美優にとってもお父さんお母さんは大切な存在だよね…」


「うん…」


「けど、その代わりに俺のお父さんとお母さんが美優のお父さんとお母さんになってくれるって!」


「うん!!」


そう言って私は笑顔いっぱいに答えた。



「日曜日だから遊びにいこーよ!」




瑞希がせーいっぱいに大きな声で誘ってくれた。




けど私の耳には聞こえてこなかった。


瑞希ごめんね。


この時ちゃんと聞いてあげればよかったね。



「あ!」


私は大声で叫んだ。



「どうした?」