朝から恋人がやってきた。
私は生きなければならない。

恋人は私の部屋で長い時間居座っていて、
「お前なんか知らない。」
「お前のことなんて心配してない。」
とくどくど言っている。

「知らないわよ。」
私はそう言い、先日同様恋人を罵った。

朝っぱらからの情事の汗でシーツが湿っている。
「早く起きろ。」
恋人はそう言い、片手で軽く額をでこピンして出て行った。

それは、希望だった。
私はそれを以前から分かっていた。
今日は晴天だ。
雪は積もっているけれど。

私はすばやく起きた。
半分だけは生きているんだと感じる。
本当に分からない。
分からないのだけは分かっている。
私が付き合いたいと言って、それに恋人が同意するとは知らなかった。
彼はたまに間違えてしまう。
再び私は湿ったシーツに横たわり、激しく泣いた。
分からない。
獣のほうがまだましだ。
人間なら人間らしく生きなければ。
恋人はあわてるだろう。
冗談じゃないと思い、じたばたと獣のように交わろうとするだろう。

私は後悔してばかりだ。
すべてに自信がない。
生きていると思ったことすらない。
それなのに、私は元気ですっきりとしている。
生きなければと思う。
湿ったシーツをはがす自分を子供のように思う。
軽い体に満足し、洗面所へ向かう。

頭ははっきりしていた。
たまに恋人との情事ややりとりを忘れてしまい、新しいシーツに倒れこんでそれを思い出した。
そのうちだんだんと弱ってきて、眠り続けた。
自分が死人のように感じた。
すべてわかっているのに。