違うよ。



「なーにいってんの!さくらが頑張ったからでしょ」



と手で背中をとんとんする。



「ひい~」



さくらはそう言いながら泣き始めて、さっきよりもぎゅっと腕の力を強くした。




「泣かないでよーもうっ」



私は微笑みながら、さくらの腕の中からスッと抜けて続ける。




「でも、こっからがスタートなんだから!」





「うん!頑張るね!!」




さくらをみると満面の笑みだった。





「ひいも頑張ってね!」




「…ありがとう」






その言葉には、


すぐ“うん”とは


言えなかった。