月と蝶との秘密の糸


私はいつの間にか俯いていた顔を勢いよく上げ、シャイナーを見つめた。


私を冷たく見据えるシャイナーの眼差しには凍り付きそうだ。


私はその視線から逃げるようにシャイナーに背を向け、書斎に向かった。



今日は本当に綺麗な夜空だわ。



窓から月の光が流れ込んでくる。


床で反射して光がキラめく。



私もこんな風に嘘が上手になればいいのにな。



この光を見ていると、嘘をついている様だ。



表向きなキラめきを放っているようで、私はなんだか落ち着かない。



「嘘が上手ね。」



悲しい独り言。


書斎までの道のりがいつも以上に長く感じる。


シャイナーに会いたくないな。


シャイナーの事が少し気になっているって知られたくない。