『早菜』 部屋を見渡していた私は ふいに呼ばれ呼んだ啓祐の方を向く。 『んっ……』 一瞬。 啓祐の髪のにおいかな。 いつもの甘くてでも爽やかな匂いが 鼻をかすめた。 キスだってわかるには いつも少し時間がいる。 だって突然だから。 でも 嫌いじゃない。 ドキッとするから。 『……っぁ…』 強引に入ってくる舌を必至に 合わせようとするけど いつも負けてしまって 頭のなかがボーッとして動けなくなる。