「う~~っ、やっと昼飯の時間かーっ!」
「もう樹ったら…、授業中寝ちゃうんだもん。
ハラハラしたわよ…。」
4時限目の数学が終わって腕を伸ばす樹に、癒麻はクスクスと笑った。
「しょうがねぇだろ?数字並べられると眠くなんだから。」
樹は机に頬杖をついてむくれた。
「もうお昼だし、屋上行くわよ樹。
悟くんは一緒に行く?」
癒麻は樹の頭を軽く叩きながら、悟に聞く。
「うん、そうしようかな。」
悟はニッコリ笑って答える。
「じゃあ、屋上に…。」
癒麻は言葉を途中で止めて、一人でいる女生徒に気がついた。