(殴られる!?)
癒麻がそう思った瞬間。
バシッ!!
男の手が下ろされるのと、癒麻の体に何か暖かいものに包まれる感覚を感じたのは同時だった。
(あれ?痛くない…?)
癒麻の体には殴られた衝撃を感じなかった。
「…?」
恐る恐る目を開けて前を見てみると、目の前には振り下ろされた皐の手を受け止める樹がいた。
「樹…?悟くん!?」
癒麻を庇うように、癒麻を包み込む悟の顔が目の前にあった。

「どうして二人が…?」