「ちくしょー!!また逃げられたー!!」
警備隊の1人が叫ぶ。
悟は癒麻達のいる方を、差し出した手を握りしめ見上げる。
(よし!!上手く行った。)
「次は絶対捕まえてやるっ!!
お願いしますよ、悟さんっ。」
「え?そうですね。
次もご協力お願いします。」
悟は警備隊に向かって軽く頭を下げる。
「いえ、こちらこそ悟さんには協力して頂いてるんですから、頭上げてください。」
「……。」
悟は頭を下げたまま唇を噛み締めた。
「警備隊一度撤収するぞ!!
撤収ー!!」
五十嵐刑事の一言で警備隊は撤収を始めた。
(癒麻ちゃん、樹、見つからないように上手く逃げて…。)
悟は五十嵐刑事達に分からないように小さく握り拳を作っていた…。