「何言ってんだよ?
泥棒は泥棒だろ!」

「樹…?」
それまで癒麻の隣で黙っていた少年が口を開けた
癒麻の従兄弟の樹である

「いくら相手が卑怯なヤツでも盗んで良いわけないだろ!
男だったら、正面から向かえっての!!」
樹は拳を作り、天井を見上げ熱く語った

「あら?
桂木くん、WINGは男か女かも解って無いのよ?
ただ二人組ってことしか解って無いのよ?」

「確かにWINGが男か女かなんて話聞かないわね」

「そうでしょぉ?
やっぱり癒麻も気になるわよねっ?」

「僕はそこまでは…」

興奮するアユに癒麻は申し訳なさそうに否定する

「え?
興味ないの?癒麻…」

ツマンナサソウな顔をするアユに癒麻は申し訳なさそうに笑う
「ごめんね、アユちゃん…」
「そっかぁ~…癒麻興味ないんだ…
ツマンナイな…」

アユは少しガッカリしていたみたいだった