怪盗舞月夜WINGただいま参上♪

 すると会長は癒麻の前を通り過ぎようとした時、癒麻の顔を見て足を止めた。
 「ん…?君、見たことのある顔だね…。」
 会長はジッと癒麻の顔を見る。
 「…?」
 癒麻はにこやかに笑顔を返す。
 「誰だったかの…?前に一度会った記憶が…。」
 会長は思い出すかのように腕を組み、考え込む。
 「うーむ…。思い出せんわ…。」
 「あの…?」
 癒麻は少し困ったように声をかける。
 「あ…!そうだそうだ!“ゆうこさん”じゃ!
 あんた“ゆうこさん”じゃろ!?」
 会長は嬉しそうに癒麻の手を握る。
 「“悠子”は私の母です…。」