怪盗舞月夜WINGただいま参上♪

 「あの人が…。」
 癒麻はゆっくりと会長へと視線を動かす。
 癒麻の視線は、来場者へと手を振って答える会長を捉えていた。
 「いくつか病院にも貢献しているとも言っていたな…。」
 悟は思い出すように顔を伏せて考えていた。
 ただし、その視線は会長を捉えたままだった。
 「そんな人がなぜ亜衣ちゃんのお父様の会社を狙うの?」
 「それはまだ分からないんだ。
 よっぽどの理由があるのか、未だに判明していない…。」
 「……。」
 悟へと移した視線を、癒麻は会長へと戻す。
 「裏表の顔を持っていそうね…。」