「あ?また被害に遭ったヤツがいるのか?」
昼休み、癒麻と樹はいつものように屋上でお弁当を食べながら、“仕事”の打合せをしていた
勿論仕事とは言っても自分達の得になることはない…
自分の経験したことからによる人助けだった

「今度はね、人の手によって空き巣に入って家宝を盗まれて、セレブの家に渡ったらしいの
それを知ってて、取り戻しに来た持ち主を追い返して、事件ももみ消したらしいわ」
「酷いことするんだね」
(ん?)
癒麻でもなく樹でもない声に2人は箸を持つ手を止めた
2人が声のした方を向くと、そこに悟がいた


「てめーっなんで普通にここにいる?!」
樹は一気に立ち上がり、悟の胸ぐらを掴む
「樹…落ち着いて…」
困ったような笑顔で癒麻は樹に静止の声をかける