「とりあえず学校に行かないと、癒麻ちゃんまで遅刻させちゃうな…」
(癒麻が遅刻っ?!)
悟は溜め息混じりにポツリと呟いた
ピタッ
それまで暴れていた樹が急に大人しくなった
(ん?)
(癒麻が遅刻…
癒麻が遅刻…
させられるかよっ)
急に大人しくなった樹を悟は見ていた
激しく動揺した末
「何やってんだ!お前らっ
サッサと学校行くぞっ!」
悟の手を振り払い、癒麻の手を引っ張って走る
「あ…亜衣ちゃん…」
癒麻は慌てて亜衣の手を引く
「あ…待って…っ」
悟も急いで癒麻達を追いかけてきた


「あ!てめぇ何付いて来やがる?!
癒麻に近づくなって言ったろっ!」
「いや…俺も行かないと遅刻だから…」
癒麻の隣に並んだ悟を見て、樹は悟を怒鳴りだした
「てめぇは癒麻に近づくなっ!!」
「あのね…
友達でしょ?
無理に決まってる…」
(友達?!)
ブチッ
「勝手に友達にするな!」