『樹が癒麻ちゃんの候補…?』
次の日の朝、癒麻と一緒に樹は学校へ向かっていた。
「……。」
樹は夕べの悟が見せた表情を思い出していた。
「……っ!!」
樹は強く自分の唇を噛みしめる。
(あいつが予備のことを知ったら、どうするんだ?俺は…。
あいつは癒麻を諦めるのか…?)
樹が自分の唇をもう一度噛みしめた時、樹を呼ぶ声がした。
「…き?樹…?」
「…っ!?」
癒麻の呼ぶ声に、樹は我に返る。
「癒麻…?」
「どうしたの樹…?考え事しながら歩くと危ないわよ?」
「あ…?」
樹が前を向くと、目の前には電柱があった。