「…確かに俺の父さんは刑事だから、君達は敵だよ…」
悟が認めたことに癒麻は悲しそうに下を向く
「…でもそれは父さんにとってだ…」
樹は警戒したままで癒麻は顔を上げる
「父さんにとって敵ってだけで、俺には関係ないよ
樹…癒麻ちゃんも信じてくれる?」
樹の顔を見て、癒麻の方を振り返る
癒麻は嬉しそうに笑う

ドキン…

嬉しそうに笑う癒麻の顔に悟は釘付けになっていた
「…嘘言ってんじゃねぇよ…」
静かに…しかし、力強く樹は悟を見る
「俺達は泥棒だ!
それはちゃんと解ってんだろ?!
解ってて庇うってことはどうなるか解らないわけじゃないだろ?!
癒麻!こっち来い!!」
樹が癒麻を力一杯引っ張って、自分の後ろにかくまった
「…俺達が盗むヤツが、どんなヤツか知ってるか…?」
今度は樹は悟から目を離した
「…知ってるよ…
いつもWINGの盗んだ物は後から盗品だったことが判明してるからね…」
「…だったら、どうして俺達がそんな奴等を狙うかも知ってるか?」
「え?」
樹の問いかけに悟は答えることが出来なかった