「睡眠不足じゃ、食うのはキツいからな。」
樹は、土鍋の蓋を取る。
温かい湯気が、フワッと浮かぶ。
「美味しそう…。」
癒麻はニッコリと笑う。
「熱いから気をつけて食えよ。」
雑炊をレンゲで掬い取って、癒麻に渡す。
「いただきます…。」
癒麻は樹から受け皿を受け取る。
「車回すように言ったから、ゆっくり食えよ。」
樹は、癒麻の隣にどっかりと腰を降ろす。
「うん…。」
「……癒麻、貸せ。」
受け皿の中身が少なくなってきたのを見た樹は、癒麻から受け皿を受け取る。
そして、また受け皿に入れ、冷まして渡す。