「おい癒麻、起きてるか?」
翌朝カーテンの隙間から差す木漏れ日と、樹の声に癒麻は起き上がる。
「どうした?お前が準備も出来てないの珍しいな…。
もしかして、また嫌な夢でも見たか?」
樹は、癒麻の隣に座る。
「樹…。また、あの夢を見たの……。」
「暗闇の…か?」
「うん…。」
「あの時の夢か…。」
樹は、ゆっくりと天井を見る。
癒麻はゆっくりと立ち上がる。
「学校行けそうなのか?寝てないなら無理はするな。」
起き上がった癒麻に、樹は声をかける。
「大丈夫よ、樹…。準備しないと遅刻しちゃう…。」