『亜衣ちゃんを、ほっておくことは出来ないわ。』
家に帰った悟はベッドに横になり、癒麻の言葉を思い出していた。
『権利書を奪われた以上、会社経営が難しくなる。
そしたら何も悪くない亜衣ちゃんが、苦しまなくちゃならないの…。
亜衣ちゃんの会社側も理由に心当たりが無いらしいの。』
今にも泣き出しそうな顔をして、癒麻は悟に話す。
悟は亜衣の顔を思い出す。
少しずつ前より話すようになってきた亜衣。
(亜衣ちゃん…、ようやく話せるようになってきたんだ…。)
悟は体を起こす。
(調べるか…。)